「女王蜂を探しゆうけんど、なかなかおらんがよ」

オサオおんちゃんが、無数のミツバチの中にじっと佇んでいます。

今は、ミツバチの分蜂(巣分かれ)の季節。
巣に新女王バチが生まれる前に、旧女王バチは、新しい巣作りのため、
働きバチの約半分を引き連れて巣を出て行くのです。これを分蜂といいいます。
古い巣を旅立った大勢のミツバチは、いったん仮の宿にかたまって、
新しい巣の場所を探し回りますが、
おんちゃんが行っているのは、
この蜂の固まりを段ボールへ誘き入れ、かまえた巣箱へ引っ越しさせる大作戦です。

肝心なのは、女王蜂を必ず巣に入れる事。
巣箱に女王蜂が入ってくれんと、働き蜂は逃げていくためです。
しかし、この何万匹の蜂の中から、ただ一匹の女王蜂を探すのが至難の業。
夏、おいしい蜂蜜を採取するため、根気強く、女王蜂の登場を待ち続けていました。