山師達人選手権


「宣誓、我々山師一同は…」
今年も山師達人選手権が行われました。
ご存知でない方に少しご説明を。
年に一度のこの大会は、木挽き・輓馬・ヤシの実とり、
と題された競技を山師たちが競い合う大会です。
木挽きとは、丸太切りです。太い丸太をどれだけ早く切れるかを競うもの。
簡単そうにも思えますが、
素人では半分も切る前に手が動かなくなるほど疲れます。

輓馬とは、丸太引きです。
とにかく重たい丸太を引きずって、タイムを競います。

ヤシの実とりは、杉のマスト登り。
ただ、杉の木は普通の木と違い、皮が非常に滑り、
とても登れるものではありません。

当然ながら各種目にはきちんと女性の部もあり、
きちんと髪はぐしゃぐしゃ、服はどろどろで競技をこなします。

最後は決勝に残った組で、木を倒し、
的にどれだけ近づけるかの正確さを競います。


今では山での作業には機械が入り、
木を切るのもほとんどがチェーンソーです。
しかし、村には
ノコで木を切れ、
重い丸太を運べ、
杉の木にするする登れる達人がたくさんおります。
山師達人選手権では毎年ながら
今もある達人の技術、達人の存在に
なにか安心感のようなものを感じてしまいます。
「馬路村はかつて林業の村だった」ではなく、
達人たちがいるかぎり馬路村は今も林業の村である、
と、なんだかそんな気がしました。